netpoyo広報ブログ

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[記事紹介]もう“もしもしゲー”なんて呼ばせない! ねとぽよがソーシャルゲームをガチで特集してみた

パックス・ネトポヨーナ。ネットの平和を守る電子書籍「ねとぽよ」の紹介記事2日目です。今日もねとぽよちゃんがお届けいたします。

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読者の方々、お待たせいたしました!

今回はねとぽよ最大の目玉「ソーシャルゲーム特集」のお話をしますね。今回の「ねとぽよ」のコンセプトは、2011年のインターネットを振り返るというものです。とすれば、このソーシャルゲームについては、絶対に特集しなければなりません。何せド・ド・ドリランドですよ、2011年は! マジで!

今回の特集では、ソーシャルゲームの歴史に詳しいエディさん(@edy_choco_edy)を呼んできて、国内外ソーシャルゲーム史についての講義をしていただいています。Zyngaの「FarmVille」から始まったソーシャルゲームが、日本のガラケー文化と結びついて、たった2年程度のうちに独自の進化を遂げていく姿が、鮮やかに描かれています。

この講座、読み物としての面白さはもちろんですが、資料的価値もひじょうに高いです。なにせソーシャルゲームの通史なんて、これまで書いた人はいません。そもそもソーシャルゲームについてここまで大まじめに特集を組んだメディアは、ゲーム雑誌からネットメディアまで皆無でしょう。Webサービス事業者のみならず、コンソールゲームの製作者やゲーム研究者にも必ずやためになる講座のはずです。

(そうそう、ねとぽよちゃんなりに、この講座のちょっぴり高度な注目ポイントも言っておきますね!それは「日本文化の特殊性はどこから生まれるのか?」ということです当 初、「怪盗ロワイヤル」は単なるMafiaWarsエピゴーネンでしかなかったようです。そこからはじまった国内ソーシャルゲームが、一体どうしてこんな 複雑な進化を遂げたのか。そこには海外のソーシャルゲーム事業者が呆れるような、ユーザーの欲望に徹底的に向き合って磨かれる「運用」にまつわる独自のノウハウの蓄積があったようです。その辺を念頭において記事を読んでみると、古くから日本文化論や国内産業論で何度となく繰り返されてきた指摘が、またもここで顔を出しているのが見えると思います)

また、講座の後には、エディさんに国内外合わせて8本のソーシャルゲームについてレビューしていただいています。歴史上重要なタイトルに加えて、最近注目を浴びている「アイドルマスターシンデレラガールズ」や、実はバカ要素満載の「戦国コレクション」など、ゲーマーが興味を惹かれそうなタイトルが紹介されてますので、ぜひ興味のある方は読んでみてください。

ところで、この講座はソーシャルゲーム特集における一要素でしかありません。実は、このソーシャルゲーム特集、「ぼくたちのかんがえたさいきょうのソーシャルゲーム」と銘打っていることからもわかるように、実際にゲームの企画書を作るのがゴールになっています。そこで今回は、この講座を踏まえて、エディさんとともに座談会とソーシャルゲーム企画ブレストを行いました。

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座談会が開かれたのはGAMECAFE&BAR「Ninty.」。都内のボドゲやレゲー好きの人の間では有名な店ですね。

ゲームカフェ・バー「Ninety.」

ちなみに、エディさんの思い出のゲームのタイトルは「ガンパレード・マーチとのことでしたが、Ninty.には置いてませんでした(店長にない理由を聞いたら、「いやー、当時僕はサターン派だったんでー」とのことでした……)。残念。それにしても、「ガンパレ」をプレイして育った若者がソーシャルゲーム制作に携わる時代なんですねー。

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 おお、懐かしのバーチャルボーイ

 さて、座談会&企画ブレストの方は、座談会参加者の3人が筋金入りのゲーマーだったこともあって、普通にゲーム好きの人にも楽しめるものになっています。こちらもちょっとだけ公開しちゃいますね。今日はそれを貼っておしまいにしようと思います! そんじゃーね。

大地  そもそもゲームの本質は、「見立て」なわけです。いかに物語やゲーム性を高めても、個々の操作を切り出してみれば、それは物を押すということに意味を与えているだけです。僕に言わせれば、むしろ5押しにこそ、ゲームの本質があるというくらいです。
エディ もちろん、5を押すのが全て楽しいというわけではなくて、例えば「怪盗ロワイヤル」であれば、ユーザーはそれをドラクエのレベル上げの気持ちよさと同じだと感じているのではないかと思っています。5押しをすることで、パラメーターが増えたり武器を手に入れたりして強くなった、だから俺はバトルをしてお宝を奪うんだ――そんな一連の面白さがあるから、5押しをしているということだと思います。
永井  1つドラクエと違う点を言うと、フィールドなどの煩わしい要素を切り取ってますね。1つのボタンを押すだけで移動もできるし、攻撃もできるし、レベル上げもできる。それだけの操作にすごい快楽を詰め込んだんですよね。
大地  そもそもゲームの本質は省略ですからね。リアルの複雑さに近づけていけば、それは単にセカンドライフになるだけです。そして、あれは失敗した。
ほたて さっきガラケーでソーシャルゲームが出てきた2009年頃を思い出していたのですが、当時は任天堂のDS以降の戦略がまだ高く評価されていた時期でした。「最近のゲームは大作志向ばかりだけど、テトリスやマリオで僕たちは楽しめたじゃないか。実は任天堂の戦略は、ゲームの原点に返っているのだ」——そんな声がまだ強かった時期です。実際、学生時代にGREEの会社説明会を聞きに行ったときに、彼らが任天堂を強く意識していたのが印象的です。実はソーシャルゲームって、あの脱物語的な、シンプルな操作性へと国内のゲーム市場が動いていく流れの中で出てきたのだと思うのです。

(「システムの進化を駆動するもの~ソーシャルゲームvsフリーゲーム」より)

永井  ロウでトップ張り続けてると、そのうち必然的に世話をするのが面倒臭くなってくるんですよね。
大地  ロウは非同期でも育っていくんです。アサインされたリーダーが引きずっていて、引きずってるやつが多ければ多いほどだるい。でも、もちろん権限は得られる。
ほたて リーダーは「農園系」をプレイする(笑)
エディ リーダーを張り続けていると、ふつふつと心に溜まっていくものがあって……毎日5押しして育てていかないと部下がどんどん死んでいくわけですね(笑)
大地  例えば、部下が多いと移動速度が遅くなる。それを短縮するためにお金を払わせるわけです。できれば、自動で課金継続するようにしたいですね。
エディ 「ロワイヤル系」は、プレイすればするほど大変になっていくわけですが、基本はレベルでの管理です。あんまり合理的な意味づけはない。でも、抱えている部下の人数だ、と言えば、納得感はあるかもしれませんね。
大地  もちろん、その人間が部下に上げてあげたレベルの数は出る。スーパーブリーダーみたいな(笑)
ほたて これ、農園系のノウハウがそのまま流用できそうですよね。例えば、野菜交換みたいな感じで、部下も交換できたりとか。
エディ  「うちのギルドにはめっちゃ魔術師いるんだけど、格闘家と交換してくれない?」みたいな。

(「さいきょうのソーシャルゲーム製作委員会ブレスト議事録」より)

なお、ねとぽよの目次とその他の内容、及び購入方法については、以下をご参照ください。

-ねとぽよ目次、遂に公開! - ねとぽよ

-[購入方法]冬コミにて、2011年のネットを振り返る電子書籍「ねとぽよ」が発売されます! - ねとぽよ

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